2010/01/31

ある日、相続が発生した。59

唐突ですが。

特別代理人選任、というのがあります。
未成年者が相続する際に代理人として責任を負う人を選ぶため、家裁に申立をするわけです。
普通なら親族にお願いしたりするのですが、何しろああいう人たちですから任せる訳にはいきません。
ですので私は、信頼出来る2人にお願いをした訳です。
そしてその申立に必要な書類の中に、固定資産評価証明書、というのがありました。

この書類は本人、若しくは同居の親族でなければ申請することが出来ません。
代理人が申請する場合、本人の委任状が必要となります。
なので、長女に委任状が必要である旨を説明し、その委任状を何に使うのかを説明した上で、署名捺印をお願いした訳です。

その手紙が実家に届き、長女からメールが着ました。
そのメールがこれです。


『手紙見ました。ばあちゃんが印鑑証明はいらないの?って。』


委任状への捺印は、三文印で十分です。
ですが、ちょっと待ってください。
おかしいと思いませんか?
何で印鑑証明とれるの? まさかと思うけど、勝手に登録してるとかでは……。

と思ったので、聞いてみました。


『丸いやつなら登録してあるらしいです』


印鑑登録は基本的に本人でなければ出来ません。
委任状があれば代理人が代行出来ますが、それには自筆で署名捺印しなくてはならないのです。

何で印鑑登録がしてあるのでしょうか。
しかも長女はどうも、書類を色々書いたらしく、よく覚えていないと言います。


つまり、こういうことですよね。

○ 長女の印鑑を作り、勝手に登録し、その印鑑で土地の相続から売買までを行おうとした。
○ ところが相続には親権者の同意と署名捺印が必要であり、しかもおれの実印と印鑑証明がなければ売買が出来なかった。
○ だから仕方なくこちらに打診してきた。


多分、これ、悪意がないんでしょうねえ。
だからたちが悪い。
それが当然の権利で当たり前だと思ってるからこそ、ここまでのことをやってしまうんだと思います。

長女には、訳の判らない書類にはもう絶対にサインしたり捺印したりしないように、と忠告しておきました。
そして判らない場合はこっちに訊くように、とも言っておきました。

一応……というか、本当はしてはいけないことなんですよ、これ。
血縁関係にあっても、です。
実印は作り直してありますから、後々、本人が印鑑登録を正式に行うことになるでしょう。